昨年に引き続き、鳥取の魅力を知る「自然科学実験セミナー（鳥取の魅力）」が開催されました。

今回の研修地は、鳥取大学工学部・農学部・医学部、さじアストロパーク、米子の企業（とっとりバイオフロンティア、氷温研究所、鳥取県産業技術センター食品開発研究所）です。

　^出発！

　1日目午前は、鳥取大学工学部・農学部に行きました。工学部は、機械物理系学科、電気情報系学科、化学バイオ系学科、社会システム土木系学科、農学部は生命環境農学科の先生方に講義及び実験をしていただきました。生徒たちは初めて使う実験器具に戸惑いながらも、楽しく学ぶことができました。

　午後からさじアストロパークまで移動し、火星について講義を受けました。その後、望遠鏡の使い方講習を経て、20時頃から火星観測を行いました。

ところが！！　　観測を前にして、天候が悪くなり雨まで降ってきました。観測中止の危機を救ったのは我らが団長、理数科主任です。右手をかざすだけで雲が裂けていきました。（本当の話）

結果的に、火星観測ができ、グループによっては木星観測までしていました。

　2日目は米子まで移動し、鳥取大学医学部生命科学科に行きました。ここでは、5コースに分かれて各分野の先生方から講義を受けました。高校で学ぶ範囲を超えた内容も多かったですが、先生方がわかりやすく説明してくださり、首をかしげながらも理解しようとしている様子でした。

　午後からは米子の企業見学に行きました。大学の学びを体験した後に企業見学をすることで、大学での研究が社会の役に立っていることを目の当たりにすることができました。

　その後、無事に鳥取に帰着することができました。

自然科学実験セミナーに携わっていただいた企業、研究機関の皆様、本当にありがとうございました！！

昨年度の課題研究の授業で行われた研究で、「鳥取砂丘と地下水が生んだ奇跡！　～えっ！？砂丘にわさび！？～」（地学研究班）が受賞しました。「JpGU2022　高校生セッション - 日本地球惑星科学連合」の優秀賞に続く受賞です。今回の「坊っちゃん科学賞」に投稿された研究論文は200本以上で、研究内容は地学のみならず理科、数学、情報など自然科学に関するものが投稿され、その中での１位獲得です。

受賞された生徒のみなさん、おめでとうございます！！

　国内予選突破を目指した講義中心の第Ⅰ期に対して、第Ⅱ期は実験中心の内容に切り替わり、今回は2012年第44回IChO大会で出題された「セスキ炭酸ナトリウム(トロナ石)の分析」を鳥取県版にアレンジして実施しました。100均などで売っている「セスキ炭酸ソーダ」の洗剤を用いて、その成分組成の分析を行いました。

　熱分解、強酸による分解、二段階中和等の知識と技術を駆使し、１グループ２名でお互いに相談しながら、課題にチャレンジしました。全ての実験の測定は終了しましたが、最終分析には時間が不足し、「宿題」という形になりました。これまで学習してきた内容でも十分に対応できると自信が深まる経験となりました。

　今回は、公益財団法人「かずさDNA研究所」の方とZoomで接続して、オンライン授業という形で実施しました。「DNAオンライン講座　～謎のお肉のDNA鑑定～」というテーマで、アガロースゲル電気泳動法を使ってDNA断片を分析し、正体不明のお肉の種類を特定するという実験です。電気泳動法の実験操作の中で、マイクロピペットの使い方、電気泳動法の仕組みを学び、DNAについて現在判明していることについて最新の研究結果を踏まえながら、わかりやすく説明していただきました。生徒たちは、初めて使う器具や試薬に苦戦しながらも、楽しそうな様子でした。

実験の様子

「身近にある ” 宇宙 “ を楽しもう　in　鳥取東高」というテーマで講義をしていただきました。特に、「月」について詳しく話をしていただき、模型を使いながら、丁寧に解説していただきました。
　また、今年の皆既月食が１１月８日（火）夕方６時頃～１０時頃ということもあり、月食で地球の大きさを測る方法などを教えていただきました。
　生徒には、講義で聞いたことを実際に自分の眼で観察するところまでしてほしいと思います。ぜひ、今夜は月を観察してみましょう。　
講義の様子

講師およびテーマ
グループ①鳥取大学医学部生命科学科　櫻井 千恵　先生
　　　　「病原微生物を食べて体を守る食細胞とは？　～基礎研究から明らかになったこと～」
グループ②鳥取大学農学部　中 秀司　先生　　　　
　　　　「化学生態学入門: 虫は『匂いと味』の世界に生きている」
グループ③鳥取大学工学部　伊福 伸介　先生　　　
　　　　「巨大な分子『高分子』の魅力、ならびに蟹取県発の新素材『キチンナノファイバー』について」
グループ④公立鳥取環境大学環境学部　徳田 悠希　先生
　　　　「サンゴのひみつ　古生物学的視点で現生生物を理解する」
グループ⑤公立鳥取環境大学経営学部　竹内 由佳　先生
　　　　「身のまわりにあふれるマーケティングについて」
グループ⑥鳥取看護大学看護学部　田中 響　先生　　
　　　　「看護の魅力」

生徒の声（一部抜粋）
・今まで知らなかったことを学べた良い経験になった。
・具体例なんかも交えながら説明してくださってわかりやすくて面白かった。
・大学の知名度、偏差値で学校を決めるのではなく、その大学を詳しく調べて大学を決めようと思った。
・理系の大学は難しかったけど、少し興味を持つことができた。先生の講義を聞いて進路の決め方などがとても参考になった。

講義の様子（一部）

昨年度、課題研究の授業で研究を行い、鳥取県理数課題研究等発表会において最優秀賞を獲得した「鳥取砂丘と地下水が生んだ奇跡！　～えっ！？砂丘にわさび！？～」（地学研究班）が、ポスター発表で優秀賞（２位相当）を獲得しました。
JpGUは、地学や地理学の研究者や学生が集う日本最大級の研究大会です。全国の高校から８０チームの発表がある中での受賞となり、自分たちの研究が高く評価されたことを誇りに感じています。

　昨年はコロナ禍のためオンラインでの実施になりましたが、今年は対面で実施することができました。　　
本校の生徒は、昨年１年間かけて研究した「課題研究」について、英語で発表しました。生徒たちは、事前に用意した原稿を手に、研究内容を一生懸命伝えていました。
　対面実施の良い点は、発音や単語が拙くとも、ジェスチャーなどを交えることで相手に伝えることができるところです。生徒の感想も、「楽しかった」「貴重な経験ができた」などうれしい感想が多かったです。
　留学生の方からは、自国の紹介をしていただきました。生徒は、他国の文化に興味津々な様子でした。

生徒の発表のようす


留学生の紹介

１年生～３年生まで生徒８名と他校の先生１名が参加し、国際化学オリンピック国内予選でもある化学グランプリの過去問題の解答を試みました。
高校で化学を学習し始めて２か月足らずで、化学の基本単位である物質量（mol）も学習していない状態でしたが、実は解答できる問題も多くあり、既存の知識でどこまでができるのか、班員でディスカッションしながチャレンジしました。
高校の化学の内容を超える出題が多いですが、コンテストのレベルの高さにしり込みするのではなく、チャレンジし続けるとこの大切さを体験できる講座となりました。